2011年5月1日日曜日

今日はメーデー

マイケル・サンデルの「ハーバード白熱教室」に味をしめた(?)NHKが日本の大学の参加型で行われている授業を取り上げ、「白熱教室inジャパン」などとやっていることは知っていたけれども、何しろ慶應のビジネス・スクールとか、そういった分野を取り上げていたので、さして興味も沸かず、見てもいなかったのだが、昨日、ちょっとした勘違いで、見てしまった。再放送の枠だと思うけど、ICUのなんとかという人の国際協力やらなんやら、そんな感じの授業。なんだか笑っちゃったな。だって何やら重要らしいポイントがことごとくカタカナ語なんだもの。

その昔、アカデミズムはその専門用語の濫用のために批判されたりしたものだ。それはどの学問分野を問わずそうだった。悪名高いのが哲学だ。これらの専門用語は、西洋語からの翻訳の努力の成果であることもあって、よけいにわからないと言われた。前に書いた、こんな現象もその一環か?

で、まさかそんな翻訳専門用語への反動ではあるまい? 今ではまるで専門用語とはカタカナの外来語のことであるとでも言いたげな勢いだった。ある種の戯画を見ているような気がした。まだ先生は時々学生の言葉を日本語に置き換えて言い直したりしていたけれども、そのわりに学生たちの言語表現の統語上・語用上の曖昧さを指摘しようとはしない。学問の究極の目的が曖昧さの排除にあるとするなら、用語・概念の規定と同様に重要なのは、その運用のしかただと思うのだがな。

で、さて、そのNHK、今日からは「スタンフォード白熱授業」だと。「企業家養成講座」ねえ……。食指を動かされることはないな。