2011年5月10日火曜日

二ヶ月かけてやっと会えたね

さて、その震災の日に見ようとしていて、結局見られなかった映画を見に下高井戸シネマまで行ってきたのだ。

ロドリゴ・ガルシア『愛する人』(USA、2009)

冒頭、若い女の子が男の子とベッドでキスをして、服を脱ぐシーンがある。次のカットでその子はもう子供を産んでいる。色々な前評判から、てっきり別々になった母親(アネット・ベニング)と子供(ナオミ・ワッツ)が巡り会う物語だと思ったので、これは不要じゃないかな、その後のいくつのシーンで母カレンが14歳にして子を産み、子エリザベスを養子に出し、……という状況設定は充分にわかるのだから、……と思っていたが、実際には、二人が探し合って巡り会い、再会を果たすという話でもなかった。本当に妊娠したお腹をさらすナオミ・ワッツや、三つ目のプロットを形成するルーシー(ケリー・ワシントン)の存在(子供ができずに困っていて、養子をもらおうとしている)などから、話はむしろ、出産と育児による命のリレーの話になっていることがわかる。ストーリーはだいぶ違うものの、アルモドーバルの『オール・アバウト・マイ・マザー』などを強く喚起する。

それにしても久しぶりだ。下高井戸シネマ。最近、そういえば二番館にはほとんど行ったことがないものな。でも来てみるといつも思うことがある。ここはマンションの2階に作られた映画館なのだが、この映画館の上のマンション住みたいものだな、ということ。今月はエリック・ロメールの回顧や『暗殺の森』などが予定されている。仕事に疲れたらふらっと2階まで降りて、『緑の光線』なんかを見る。すてきじゃないか?

明日は午後から仕事で神楽坂。神楽坂なんていうと、何やら艶な感じだが、仕事だ。あくまでも。