2011年3月25日金曜日

揺れる劇場……なのか椅子なのか?

下北沢ザ・スズナリで、劇団燐光群、坂手洋二作・演出『裏屋根裏』を見てきた。2002年初演の坂手および燐光群の代表作『屋根裏』をインドネシア、韓国からの俳優を迎え、それぞれの言語、および英語、中国語なども交えて(もちろん、日本語も)の「インターナショナル・リミックスバージョン」として作りかえたもの。オリジナルの『屋根裏』を見ていなかったので、せっかくだから今回、見てきた。

引きこもり、幼女誘拐・監禁、自殺、引きこもりの過ぎた先の孤独死、などの問題を、屋根裏部屋キットに暮らす人々が引き起こす問題として語ったもの。2000年代初頭の日本で、こうしたキットが流行ったという設定。舞台中央にそのキットを置いて、速い場面展開ながら、ほとんどの場面がその狭い屋根裏キットの中で演じられる。人がまっすぐ立ち上がることもできないし、三人ばかりで座ればもう窮屈に見えるほどの広さ、台形をつぶしたような空間だ。演劇と言うにはあまりにも狭い。でもさすがに小劇場なので、見るのに苦労はしない。狭さをうまい具合に利用した動きなどもふんだんに取り入れ、面白い。

こういう設定だと、人はそこにアレゴリーとか何かの隠喩とかを読み取るのだろうけれども、機先を制するように台詞で指摘される。20世紀、日本の家はうさぎ小屋と揶揄されたけれども、21世紀初頭にはわざわざもっと狭い屋根裏が流行した、と。これは仮定の話なのだ。

飽きの来ない2時間10分ほどだった。

ところで、さすがにこの時期なので、上演前、避難場所に関する説明がいつもより丁寧になされた。上演中、地震は起きなかったはずだが、なんだか揺れているように感じたのは、やはり地震酔いなのか? ……なんのことはない。狭いザ・スズナリ。後の人の脚が椅子の背に当たって椅子が揺れていた。たぶん。

夕方はおなじく下北沢で友人たちと食事。明けて今日は車検から戻った車を取りに行った。こんなものをもらった。三脚椅子とその上に鎮座するメモホルダー。