で、まあ行ってきた。ジュノ・ディアスの講演会@abc本店。
開演前にトイレから出てきたら今夜の聞き手、都甲幸治さんと擦れ違った。こんにちはと言ったら、こんにちは、頑張ります! と元気な挨拶。
その都甲さんに負けず劣らず元気なジュノ・ディアス(出回っている写真よりシュッとした感じ)。ニュージャージーの現実を描きたかったんだとか、いろいろなディテールを入れようとして努力した、という話を楽しそうにしていた。柳下毅一郎さんや豊崎由美さんが来ていた。豊崎さんは質問したし、柳下さんはご自分のツイッター(http://twitter.com/#!/kiichiro)でいろいろと実況しておられる。それと重複しない範囲でぼくの印象に残ったのは、
『オスカー・ワオ』までの11年間、ディアスが毎日朝6時から12時まで机に座って書いていたということ。2.400ページばかりも書いたが、それが300ページに落ち着いたのだということ。既に『ハイウエイとゴミ溜め』の優れた短編集を書いた人物にして、これだけの努力があったればこそのあの小説なのだな、と感心。
また、カリブ人は他のラテンアメリカの国々の人に比して、1つの言語に対するアイデンティティはない、との明言。カリブは別ものだとこの意識が明示的に聞けたことは収穫。小野正嗣を迎えての明日のセッションが楽しみだ。