2010年1月9日土曜日

まだまだ夜が怖い

ヴラディーミル・アシュケナージにヴォフカというピアニストの息子がいることなど、取り立ててアシュケナージ好きでもない(2、3枚は持っていたと思う)ぼくは知らなかったわけだが、その2人の初の連弾によるアルバム、ドビュッシー&ラヴェル『2台のピアノのための作品集』(DECCA、2009)にはドビュッシーの側からは「リンダラハ――2台のピアノのための」(1901作曲、1926初演)が、ラヴェルからは『スペイン狂詩曲』(1908、1985の「ハバネラ」を含む)がピックアップされていて、これなんかも今、頭を痛めている仕事にはうってつけの題材なんだけどな、と思ったので買ってきた。

本当は、昨日、過去の記事を捜す途中、デジタル・リマスター版の『アビィ・ロード』を買ったという記事を久々に見つけて、思い立ち、散歩のついでに近所のCD店に『サージャント・ペパーズ……』を買いに行ったのだけど、そのついでに、アシュケナージ親子も買ってきたという次第。

で、まあロジャー・ニコルズのライナーノーツによれば、ドビュッシーの「リンダラハ」はラヴェルの「ハバネラ」に対する「返答として書かれた可能性もなくはない」のだそうだ。ふむ。この2人はそんなに仲がよかったのか。ちなみにドビュッシー、ぼくより101歳年上だ。

ところで昨日の記事、「こむら返りと金縛り、幻聴、幻覚」。別に異常なことではない。現在の家に越してきてからなのか、40を迎えるころからなのか、いずれにしろ、こうしたことが起こる。

たぶん、それを「こむら返り」と言うのだと思う。こむら、つまりふくらはぎの痙攣だから。でも肉離れと言ってしまいたくなるほど激しい痙攣を夜中に感じることがある。これは若いころからの話。だが、近年とみにそうだ。最近見いだした対処法は、脚を曲げて眠ることだ。これならどうにか痙攣を避けることができる。でも、眠っている時は意志など働かないから、ぼくのあまりにも長く美しい脚はいつしかピンと伸びてしまい、こむら返りを起こしてしまうというわけだ。

で、問題は金縛り。これは若いころよく経験していた金縛りとは異なるものなので、本当は金縛りと呼ぶべきかどうかもわからない。両肩だけが何か抵抗しがたい強い力によって押されているように感じる。幻聴や幻覚とともに襲ってくるこの現象、これが怖くて夜が眠れない。結構な頻度でこれが起こる。ぼくもたいがい臆病なものだから、目を開けると何かがいそうな気がして必死に目を閉じ、「やめろ!」と叫ぶ(ように心の中で念じる)のだが、そんなときにまぶたの裏に、日替わりで様々な幻覚が見えるのだ。アモルフな何かだったり、見覚えのない人の顔だったり、……そこに人の声やらドビュッシー風の音楽が聞こえてきたりするのだな。

? そうか。あれはドビュッシー風だったのか! それともSGTペパーズ風? うーむ、いずれにしても、今夜もまた寝るのが怖い。