2009年3月22日日曜日

翻訳に思いをはせる

前回ほのめかした翻訳は、気づいたら、出版社のこの叢書の広報冊子にもう予告されているのだった。ぼくの名前も入った形で。なんだか身が引き締まる。

本屋に行ってそれを知ったのだった。本屋では以下のものを買った。

オルテガ『大衆の反逆』桑名一博訳(白水社Uブックス、2009)
ラス・カサス『インディアス史』(一―七)長南実訳、石原保徳編(岩波文庫、2009)


『大衆の反逆』は神吉敬三訳がちくま学芸文庫にあるが(中公クラシックスにも入っていたんだっけか?)、かつて桑名訳を出していた白水社が、このたび、Uブックスに入れた次第。あるところである人が新訳版を準備しているという話も聞くのだが、何はともあれ、買っておいた。

『インディアス史』は、もちろん、岩波の大航海時代叢書におさめられているが、それはもうだいぶ前の話。その際の長南訳を石原保徳が編集して、だいたい7割程度の分量にしたのだそうで、それを文庫化。それでも7巻になるのだから、長大な仕事だ。ゲラを見るのに1年以上もかかっているのだから、すごい。

圧縮に際しての編者の心構え。

文庫に収めて、彼のいう歴史的真実を現代の読者に手渡してゆく媒介者であろうとする私の願いからすれば、圧縮はやむを得ないことであったし、それはそれで積極的な意味のあるこころみであり、後生の私たちがなすべき仕事として托されているともいえるのである。(七―415)


昨日、酔ってタクシーで帰還、宅配ボックスに入れられていたのは、

マイケル・ドレーニ『ジャンゴ・ラインハルトの伝説――音楽に愛されたジプシー・ギタリスト』小山景子訳(シンコーミュージック、2009)