2009年3月13日金曜日

西北に赤が塗ってある


11日に帰国、12日には後期日程入試の監督、教授会、等々、1日がつぶれ、まぶたが落ちそうになりながら帰国、……もとい! 帰宅。ポストにこれを見いだす。

後藤雄介『語学の西北――スペイン語の窓から眺めた南米・日本文化模様』(現代書館、2009)

ご恵贈をいただいたのだ。後藤さんは早稲田大学のスペイン語の先生。ま、早い話が、友人だ。大学時代からの。同期だ。引っ越しを手伝ってもらった仲だ。何度も。

2003年にNHKラジオのスペイン語講座テキストにコラムを持っていた。この本の存在を知ったとき、そのコラムをまとめたのかと思った。しかし、それだけで本になるものかといぶかった(つまり、分量として)。案の定、それ以外にいくつもの記事を加えて作った本。三部構成で第一部「教室の日々」がそのNHKでの連載からのもの。第二部、第三部はその他のメディアや自身のサイトに書き継いだものか、書き下ろしのもの。自身の子供のことや野球の志向にまで触れていて、うふふ、である。「うふふ」では済まないような車の事故と損保をめぐる話や、彼の恩師の話なども出てくるのだが、もちろん、この本の勘所はスペイン語の話とペルー留学中の話(第二部)。つい最近、メキシコに出張してそこに留学中の学生たちに会ってきた身としては、これから留学を考えるすべての人々にこれを読めといいたい。

ちなみに、その第一部で「スペイン語教師」やスペイン語圏が村上春樹の小説その他のテクストでいかにひどい扱いを受けているかを書いている。そういえば、後藤がぼくに感謝してる2つのことのひとつは村上春樹を薦めてくれたことだと、ペルー留学からの帰りに立ち寄ったメキシコで、ぼくに言ったような気がする。プチ自慢。この会話だけを覚えていて、本人としては本当に村上春樹を彼に薦めたかどうかは覚えていないのだけどね。

さ、この本に登場する「M氏」との仕事も残っているし、ぼくもNHKの原稿でも書くか。いつか本になるかなあ……?