2010年4月10日土曜日

授業の始まりを思う

昨日の記事、最後の小話(?)は、ぼくから献本をもらった人で要らないと思っている人は、どうか、古本屋に売らずに、それを欲している若い連中にあげてね、というメッセージ。

かな?

トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』志村正雄訳(ちくま文庫、2010)

サンリオ文庫で出たと思ったら会社が倒産、1992年に筑摩から単行本として新たに出たのが、今回、文庫化されたもののようだ。ぼくがピンチョンが面白いらしいという話を聞いて探したころにはなかったわけだ。ペーパーバックを買った記憶はあるが、日本語訳は記憶がないのだ。だから、新たに買った。

でもところで、ペーパーバックで読んだんだったっけか? 

……どれどれ……

 ある夏の日の午後、エディパ・マース夫人はタッパーウェア製品宣伝のためのホーム・パーティから帰って来たが、そのパーティのホステスがいささかフォンデュ料理にキルシュ酒を入れすぎたのではなかったかと思われた。(8ページ)


この書き出しに訳者志村正雄が「解注」をつけていて、ふむ、なるほど、あれとああいうふうに組み合わせて、今度の授業でこんな話に持って行こう、などと考えているのだから、ぼくもそろそろ新学期に臨む覚悟ができつつあるということか。