4月1日である。エイプリルフールである。ぼくが子供のころ身につけた言語によれば4月馬鹿である。
何か嘘をつかねばというオブセッションを抱かねばならないのじゃないかというオブセッションがある。そんなオブセッションに突き動かされていると、嘘などつけない。考えつかないのだ。本当に嘘をつかねばというオブセッションにまで達しないのだから。なにやら生きにくい。
溜まっていた原稿、書き終えました。
なんて嘘は悲しくなるだけだ。
溜まっていた原稿、破産宣告してすべて放棄します。
できたらこんな嬉しいことはないのだけど、どうせできないに決まっているから、よけいに悲しい。
いっそのこと書いている原稿の中に嘘を込めてしまおうかと思うのだが、それはまあだいたいいつもやっていることだから、新味に欠ける。しかたがないから粛々として原稿を書く。
でも終わらない。