2009年12月6日日曜日

25

寝耳に水の話で、近々ある博士論文の審査をつとめねばならないことになっていると知り、そのために履歴書と業績表を提出しなければならなくなった。それで、改めて数えてみたら、外語に移ってから、ぼくが業績表に書き込んだ「業績」が25。NHKの連載なんかはすべてで1項目、3枚のDVDの解説であるビクトル・エリセDVD-BOXも1項目としての話。

うーむ。6年目の後半にして25か。……これが多いのか少ないのかはわからないが、少なくとも言えることがひとつある。いわゆる学術論文がひとつしかないということ。そしてまた外見的に大変そうでない割に大変に苦労した仕事があるということ。「監訳」とか「共編著書」ってやつだ。仕上げたけど形になっていないものもある。それからまた、口頭で話したっきり活字化していないものも5つくらいある。

われわれの世界にはわれわれなりの価値基準というのがあって、ぼくは必ずしもそれに同調するものではないが、その価値基準に照らすと、労多くして得るところの少ない仕事をたくさんしているような気がする。あくまでもその「得る」べきものを得たいとは思わないのだけど。

そんなわけで、26番目か27番目になるはずの仕事のために、

アレハンドロ・ゴサレス・イニャリトゥ『アモーレス・ペロス』(メキシコ、1999)を。ガエル・ガルシアが坊主頭にしても似合うのは、頭の形がいいからだろうな、というのが唯一の感想では、あまりにも悲しい。

いや、もちろん、それが唯一の感想ではないのだけどね。あの事故のシーンはやはりなんと言ってもすごいな、とか、色々と……