2011年1月23日日曜日

休日出勤、そしてII、およびIII。

日曜だというのに、昨日、ある研究会の後の懇親会で紹興酒を飲み過ぎて少し酒が残っているというのに、朝から大学に来ている。大学院入試(前期課程冬入試+後期課程入試)のためだ。待機しなければならないのだ。その後、採点。

さて、リカルド・ピグリア「短編小説についての命題」II、およびIIIの全訳。

                   II
古典的な短編小説(ポー、〔ウルグワイのオラシオ・〕キローガ)はプロット1(賭けの話)を近景に据えて語り、プロット2(自殺の話)を秘密裏に構築する。短編作家の腕の見せ所は、プロット1のひずみの中にいかにうまくプロット2を組み込むかというところにある。目に見える話の背後に、省略されたり断片化されたりして語られる秘密の話を隠すのだ。

秘密のプロットの結末が表面に浮上してきたときに、驚きの効果が生まれる。

                 III
ふたつのプロットはそれぞれ異なるしかたで語られる。ふたつのプロットを仕組むということは、ふたつの異なる体系の因果律を仕組むということだ。ある複数の出来事が相対立するふたつの語りの論理に同時に吸収されることになる。短編小説の本質をなす要素は二重の機能を果たし、ふたつのプロットのそれぞれで違った使われ方をする。交錯するこれらのポイントが短編小説の構成の基礎となる。

つづく。