2010年9月4日土曜日

翻訳の楽しみ=味わいgustosa traducción

料理がとても重要な役割を果たす小説を訳している。

まだトップ・ギアには入り切れておらず、思ったよりはかどらない。

昨日、あるところを訳しながら、あることを思いついた。そうだ! この料理を実際に作ってみればいいのだ。毎晩小説内の料理を作ることを目標に、1日の間に、次の料理の叙述があるところまで訳す。いい考えじゃないか。翻訳を楽しみ、料理を楽しむ。こんな贅沢な話はない。さっそく実行に移そう。

まず、舌平目のフィレ、シャンパン・ソース和え。

小ぶりの舌平目二匹を切り分け、パン粉をまぶして下ごしらえしてから、鍋にかける。シャンパンをボトル半分、マッシュルームを何個かに白種タマネギ、細切りのにんじん一本、ニンニク一かけ、コショウ少々、ナツメグ、エシャロット(小)、細かく刻んだ香草。

舌平目なんて久しぶりだな。近所のIY堂には売ってるだろうか? 捌いたことないけど、できるのかな? ナツメグなんてのも、そもそも売っているのか? 自分で料理に使ったことないぞ、などとワクワクしながら材料を書き出そうとした。が、舌平目だのナツメグだのの前に、そもそも躓いた。

「シャンパンをボトル半分」

リッツ・ホテルでの高級料理なのだった。シャンパンをボトル半分も使うなんて、できるはずないじゃないか! ぼくの一ヶ月ぶんの食費が飛んでしまう。

やれやれ。しかたがない。今日はくろ黒亭で豚シャブだ。えへへ。これはこれでうまい。