9月9日の記事末尾にさりげなく告知したイヴェント、キューバ文化の日の件。どうも中止になったとかなるとか……。
残念ではあるが、少なくともその日までに何冊かの本を読まなければならないという義務からは解放された。それを義務だと思ってしまうとなかなか読み進められなくなるという、典型的な愚図のぼくにとっては、ほっとしもする事実。
ところで、青山南が『本の雑誌』の連載コラム「南の話」で、2009年6月号に「カルペンティエル記念館」という記事を書いているという事実を遅ればせながら知り、家から一番近い市立図書館に雑誌のバックナンバーが所蔵されていることがわかったので、読みに行った。
キューバに行ってみたら、それまで気にも留めていなかったカルペンティエールの記念館のことが気になって見に行った、修復中だった、カルペンティエールのヘミングウェイとの関係はどんなんだったのだろう、気になるところ、という内容。
まあ「キューバに出かけるまではぜんぜん頭になかった」というのだから、「記念館ができるほどのひとだったのか、と認識をあらたにした」という認識不足はしかたがないし、「第二次世界大戦がはじまると、キューバにもどってジャーナリストとしての仕事をはじめている」(強調は引用者)という誤認も可愛らしいものだと笑って済ませるにしても、「ラ・ボデギータでモヒートを飲んでいた有名作家ヘミングウェイを、カルペンティエルが、あれがヘミングウェイか、とながめていた可能性もある。(略)そういう出会いって考えると楽しい」なんて書かれると萎えるなあ。カルペンティエール(の分身たる小説の主人公)とヘミングウェイの接触と前者の後者に対するアンビヴァレントな思いは、『春の祭典』を読んでくれれば、もっと豊かに想像できるのだけどな。読んでいただいていないというのは悲しいし、営業努力が足りないのかなあと反省もすることであった。