2010年2月12日金曜日

そして神戸

神戸に来ている。

博士論文の審査のためだ。カルペンティエールについてのもの。いろいろと言いたいことがあったけれども、受け答えを聞いている限り、認識や勉強量の問題というよりは書き方の問題なのだろうなと思われたので、とやかくいうこともなく、がんばってねと励ました次第。

審査に加わったフランス語の先生は、わざわざカルペンティエールの全作品を翻訳で読んで審査に臨まれたとか。そうそう。そういう善意の地道な努力に基づく審査を行うものなのだよな。ぼくはたまたま全部読んでいたからよかった。

ん? ということは『春の祭典』も読んでくださったのですね。どうもありがとうございます。

で、ちょっと時間があったので、中央公園のマリーナ像。震災の記憶。大震災の際に転倒し、時計が止まってしまったので、いつまでも忘れないために、止まったままの時計を抱えるマリーナ像をこうして飾っている。彼女の腹の肉感などに感心しているぼくは不謹慎か? そんなことはない。なにしろカルペンティエールの話をしようとしていたのだ。知覚の拡大だ。