2010年10月1日金曜日

統計

今日は都民の日。映画の日。授業の開始日。大抵の日本企業の内定式の日。

……内定式? なんだそれは? 日本企業の求人活動における横柄さと滑稽さは!…… 入社式があるというのに、その前に内定式などと囲い込み以外の何ものでもない儀式を執り行うなんざ、内定者に逃げられまいと必死な下心を隠せない。そのくせ、夕方のTVニュースで流れていたどこぞの大企業の社長だか重役だかは、「狭き門を潜り抜けてきたのだから、さぞかし自信になっただろう」云々などと、ずいぶんと偉そう。何かを思い出させるぜ。

10月1日は、今年はさらに国勢調査の開始日。国もすなる統計てふものを、国民たるぼくもしてみようか。このブロガーには来訪者の数を記すカウンターのようなものがない。その代わり、きづいたら、ログイン画面に「統計」のタブがあり、そこにログ解析の結果が出るようになった。日、週、月、「全期間」の来訪者数、ページ(記事)ごとの閲覧者数、トラフィックソース等々が示される。

たとえば、7月から始まったらしいこのサービス、その月から3ヶ月、ぼくのブログにはほぼ毎月3.600-3,900人くらいの来訪者がある。多くはぼくのサイトのリンクやグーグルなどの検索エンジン、ツイッターなどをたどって来ている。日本のみならず、インドネシア、フランス、イギリス、スペイン、北米3国、コロンビア、などからアクセスがある。3ヶ月で最も多く参照されたページ(記事)は5月30日の「サンデル先生に訊いてみよう」。これが199回、これだけをめがけて来た人に見られている。2位、3位はいずれも映画の話題。9月20日の「家族の物語」(コッポラ『テトロ』のレビュー)、127回。『シルビアのいる街で』のレビューが第3位の121。面白いところでは、今日になって1度だけ6月20日「そんな中」が参照されている。

ふむ。マイケル・サンデルはやはり話題なのだなと、改めて実感される。ぼくは彼の著作に関して、特に大したことを書いたわけでもないのだが。そしてまた映画も強い。それともこれは、ある人のツイッターからやって来た人々と思われるからなのか? いずれにしろこの程度の「統計」上の数字など、ほとんど限りなく無意味に近い。これが最高199人ではなく、19,999でも、おそらく、大差ない。たとえひとりでもいい、誰かの心の中に何らかの足跡を残さないなら、閲覧者が何万人でも何百万人でも虚しいだけだ。誰かの心の中に残した足跡は、これだけの通り一遍の統計の数字には表れない。

そして最大の問題は、ぼくのこんな文章など、きっと誰の心にも何の足跡も残さないだろうということ。この記事前半を読んで、内定式などというしきたりを廃止する企業は1社としてない。このことは請け合える。