アーサー・ビナードさんによる講演会「もしも文字がなかったら:未知のことばを求めて」。終了。
ぼくが『空からきた魚』(集英社文庫)所収のエッセイ「ミスった?」を引用して、フランス移民の子孫である彼の姓Binardが移民の登録の際のスペルミスから来た可能性がある、という話をして彼の紹介をしたので、それを受け、綴り字と発音が一致しない英語と漢字を輸入してかなにした日本語とのもともと文字のなかった(と思われる)言語の話から説き始め、言葉のリアリティと言葉が表すもののリアリティの話をしながら昆虫からイラク、アフガン戦争の話にまで展開し、そうした言葉の難しさ、大切さを保証するものとしての文字に表記することまでの考察を展開。最後は詩を朗読された。
懇親会では図書館の若い職員らが歯は朝起き抜けに磨くか、それとも朝食後に磨くかという質問におよび、ついでにビナードさんの出身大学コルゲートは歯磨きを思い出させるが、その名はどこに由来しているのか、という話題にまでなった。結局、あの歯磨きの財団の名だそうだ。そういえば、講演会の最後ではビナードさん、シャンプーなど使うだけ無駄だと言っていたが、歯磨きペーストは使うのだろうか?
久しぶりにスーツなど着ていったのだが(茶色いホームスパンのスリーピース)、スーツそのものというよりは緑色のシャツと緑に金色のストライプのネクタイがすてきだと、何人かの学生に褒めていただいた。えへへ。でもシャツもネクタイも締めていったことはあるのだけどね。
気づいたら木曜日は、冬休み前はもう1回しかない。
さ、明後日11日(土)はシンポジウム「世界文学としての村上春樹」です。ぜひ!