2011年12月18日日曜日

セレンディッポの王子さま

昼間(日付が変わってしまったが)読んでいたセサル・アイラの小説『試練』(César Aira, La prueba, México, Era: 2002 /1992)にこんな小話があった。

老いぼれスペイン人がやってきて、彼(ポルセル)にサン・フェルミンの祭りでの経験を話した。牛が放たれたので彼も走り出した。彼は走った。すると後から牛が追いかけてきた。彼が前、牛が後だ……ある角に来たところで、王が通りかかった。良き廷臣である彼は王にお辞儀をした……すると牛は……そこで太っちょポルセルは訊いた。そんなに早くかい? その前に酒に誘うこともしなかったのか? (24ページ)

こんなところを読んでいたからだろうか? 夜、ある情報を探して昔のノートを捲ったら(といってもPDF化されたものを見たのだが)、大学2年生のぼくが、ある人物と話していて、うん、やっぱりなんか礼儀正しく、最初はデートに誘うところからはじめるべきじゃないかな、とアドバイスしたという記述があった。

ふむ。シンクロニシティだ。セレンディピティだ。

ところで、この小話の意味、わかるだろうか? 

「もちろん」とマオが言った。「牛が角を尻に突っ込んだのよね。それがおかしいってのなら……」(24ページ)

この小説でセサル・アイラは ¡¿ ?! という配置を採用していた。 !?ではなく。