2011年9月19日月曜日

連休の最終日だからと焦っているわけではない

下北沢のテピートにて店主ドン・チューチョや八木啓代さんらのライブを聴き、千羽鶴を完成して、メキシコの平和を求めるグローバルネットワークへの協力をした。

とって返してラテンビート映画祭、新宿での最終日。ダニエル・サンチェス=アレバロ『マルティナの住む街』(スペイン、2011)は遅れて入ったので細かいことは言わない。佳作コメディだ。

ヘラルド・ナランホ『MISS BALA/銃弾』(メキシコ、2011)は最初から見た。主演女優ステファニ・シグマンとプロデューサーのパブロ・クルスの挨拶も聞いた。

『ドラマ/メックス』で何年か前のラテンビート映画祭の監督賞をもらったナランホの作品。麻薬マフィアの犯罪に巻き込まれたミス・バハ・カリフォルニアの話。BALAは弾丸だが、MISS BAJA ( CALIFORNIA )との言葉遊びとなっている。ミス・バハを目指すラウラが、クラブで犯罪組織エストレージャの襲撃に遭い、そのボスのリノ(ノエ・エルナンデス)の顔を見たことから、逃げても逃げても捕まって、犯罪に荷担させられてしまうという話。組織はさらなる悪事のために背後から主宰者を操って彼女をミスに選ばせ、その地位を利用して重要人物殺害計画に出向く。

話の一番怖い点は、警察に助けを求めても、あるいは警察に逮捕されても、身の安全は保証されないということ。下っ端の警官は組織に買収されていたり、公式発表では銃撃戦で殺されたはずのリーダーが生きていることがほのめかされたりと、実に、スリラーである。

女優とプロデューサーとの質疑応答の時間には、質問というよりは感心した、そのことを伝えたい、とのコメントが相次いだ。その気持ちはわかる。それだけテーマの面でも作りの面でも優れた映画だったということだろう……でもなあ、せっかく来ているのだから、ゲストたちの話を聞こうよ、と思ったのであった。