京都外語大の坂東省次さんのスペイン文化協会の出す雑誌 "acueducto" 6号をいただいた。立林良一さんやアンヘル・モンティージャさんなどが京都でのバルガス=リョサの活動のことなどを報告している。
今年も巡ってきたラテンビート映画祭。今日はオープニングの日で、黒木和雄『キューバの恋人』(日本・キューバ、1968)津川雅彦、ジュリー・プラセンシア他。
次に上映されるアルモドバルの新作用に来ていたマリサ・パレーデスも登壇して挨拶。そのかっこよさにあてられた。すごい! 1946年生まれ。それがほっそりとした長身に、白いストッキングに包んだきれいな脚をこれ見よがしに出したミニ・ワンピースなんか着てきて、さすがこれこそ女優だ、という感じ。
さて、『キューバの恋人』。革命10年を記念して代々木系の黒木が撮った映画で、革命の勝利を前面に押し出すあまり、セリフなどは(異文化間コミュニケーションでもあることだし)いささか鼻白み、活気にかけるような気がするけれども、いろいろと唸らせるシーンや設定などがあって、面白く見た。グティエレス=アレア『低開発の記憶』との同時代性を強く感じる。船乗りで休暇をハバナで過ごす軽薄なアキラが、マルシアという女の子を追ってヒロン海岸、トリニダー、どこかの農村、サンティアーゴ・デ・クーバ、サンタ・クラーラと旅する物語。カストロやゲバラの演説の記録映像を取り込み、クライマックスにサンタ・クラーラでの革命10年祭の祝祭を持ってきて興味深い。
旅の途中の農村でのカストロの演説は、激しい雨の降りしきる中でなされたもので、実に面白い。しかも、めずらしく演説を始める前からの映像を挿入しているので、つい身を乗り出してしまう。
上映後に津川雅彦の話を聞いた。だいぶカストロにほだされたようだ。そのことを語っていた。