2009年7月3日金曜日

あっという間に忘れてしまう

もう7月だなんて信じたくないものだから、7月に入ってもブログを更新せずじまい。

ちょっとした怪我をして、もう死んでやると言わんばかりの大騒ぎ。一段落仕事を終え、やっと山を乗り切ったというところか? まだまだ山はあるのか? 

マリオ・メンドーサやホルヘ・フランコの映画化作品のDVDをいただき、最近導入のHDD-DVDプレーヤーでも観れるので大喜び。

さて、ところで、今日、1年生の授業が終わった後、学生が質問に来た。教材に関しての質問。

探偵がいる。その探偵に相談に来たジャーナリストがいる。ジャーナリストはある友人から紹介されてその事務所にいる。その友人からジャーナリストに電話だと、探偵の秘書が告げに来る。その場面の意味がわからないのだそうだ。

幾度か質疑応答があって、それでもどうにも話がかみ合わない。

あはん。なるほど。電気がついた。

「君、ひょっとして、なぜ友人がジャーナリストに電話するのに取り次ぎが必要かと思ってない?」
「思ってます。本人の携帯にかければいいでしょ」
「つまり、秘書は携帯を持ってこの場に現れたと思っているわけね?」
「違うんですか?」
「君は固定電話というものを知ってるかな?」
「知ってますけど……」
「で、この話が携帯以前の話だということに気づいてないのかな?」
「?」
「友人は探偵事務所の固定電話にかけてきたのだよ。ジャーナリストがここにいることを知っていたから。で、秘書が取り次いだ。探偵の事務所で、それを内線で取った。この関係、わかる?」
「ああ、そういうことだったんですね!……」

そういえば村上春樹『1Q84』。1984年を扱っているから、時々携帯も(場合によっては留守電も)ないコミュニケーションが描かれていて、瞬時、戸惑うことがあった。

テクノロジーがもたらす生活の限界なんて、あっという間に忘れてしまう。