2021年1月17日日曜日

体力つけなきゃね

元日に管啓次郎さん経由で橋本努さんの読書のすすめを引用したのだった(リンク)。


しかし、橋本努『学問の技法』(ちくま新書、2013)は持っていた。僕は自分のためというよりは学生たちにどのように伝えるかという問題関心からこの手の本はこまめにチェックするようにしている。だから買っていたのだろう。ここにも既に岸本重鎮や廣松渉の読書量のことが書いてあった(114-5)。


それとは別に、この本が他の類書に抜きん出ている点は、背筋の重要さを説いている点だ(43-6)。「精神と姿勢を持続させるために必要な背筋力」だと。「私はこの持続的な背筋力こそ、読書人のもっとも重要な基礎体力ではないかと考えている」(44)。


ふむふむ。


実際、僕も筋力が落ちるにしたがって体型が崩れ、怠け者になり、仕事が滞りがちになっていったものな……


背筋も必要だが脚力もね、と思うのは、今日、大学入試共通一次試験あらため大学入試センター試験あらため大学入学共通テストの監督に行っていたからだ。もともと補欠要員だったのだが、ある人の家族に発熱者が出たとのことで、こんな時期だからその人は大事を取って休むことになり、僕が前に立つことになったわけだ。


今日は理科①、数学①、数学②、理科②の日程。僕が監督をする会場(東大本郷キャンパス文学部棟)では理科②の受験者はいなかった。しかも数学②はひとりだけ! ちなみに、理科①は3人だった。しかもこれは文学部会場で日曜日唯一の教室での話。数学①でも8人しかいなかった。監督は3人。


少子化の影である。一方、試験が細分化し、利用する大学は多くの選択肢を与えるから、たとえば2科目くらい受験すれば大丈夫、なんて受験生がいる。用意された全科目受験するのは一部の(全部または大部分の?)国立大学くらいということなのだろう。


これを機に全員を集めての対面での一回きりの試験などという入試の形態を改めようなどという議論が沸き起こらないものかと希求するのである。


見えそうで見えない星ばかりの夜空。