2022年4月20日水曜日

引き返せない

毎年この時期になると「引き返せない」という覚悟を語ることになる。授業が始まって、もう後には引けないということだ。


今年度は当初、対面を原則とすると言われていたのだが、感染症がおさまらないからというよりはその余波でまだ来日できていない留学生などがいるからそれに配慮して対面やハイブリッドなどに対応するようにと方針変更が告げられ、急遽、僕も授業をオンラインにしたりしている。


それで、最近仕入れたオンライン向け新兵器がこれ。



書画カメラ。ウェブカメラとしても使えるというもの。


資料の提示には書画カメラにまさるものはないと僕は思っていて、ちょっと前にWeb会議用のそれについてFacebookで話題にしたことがあったので、手に入れてみたのだ。


ウェブカメラとしても使えることはつかえるのだが、さすがにそのたびに首を回すのもたいへんなので、カメラを切り替えるほうが楽だと思い、ウェブカメラには、あくまでも、これまでのように愛機 Fujifilm X-E4 を使うのだ。


ところで、昨日は試写会に行った。


オスカル・サンチェス、ロベルト・フルカ監督『マタインディオス、聖なる村』(ペルー、2018


昨年のペルー映画祭で見損なった作品が劇場公開されるのだそうだ。618日からシアター・イメージフォーラム他。


ペルー、山岳地帯 (Sierra) のある村でその村の守護聖人サンティアゴ(聖ヤコブのスペイン名で、マタインディオスとはマタモーロス〔モーロ人殺し〕のサンティアゴが新大陸で持つにいたった綽名だ)を祝う祭典の準備をドキュメンタリー風に描き、その祭りで現実に何がなされるかを見せた作品。「守護聖人のための花」(花束、と字幕には出ていたかもしれない。うろ覚え)、「……マント」「……音楽」……という具合に章が区切られ、準備が刻々と進められていく感じ。この「音楽」の章の音楽の誕生が実にすばらしい。


疑似葬式のようなものがあり、そこで葬られる人々の死んだ日づけが19877月などとなっているのは、この映画のもう一つの隠されたメッセージなのかもしれない。


もっとだいぶ前にはケネス・ブラナー『ベルファスト』(イギリス、2021なんかも見たぞ。なにしろ授業でマリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』野谷文昭訳(岩波書店、2021を読むからさ。