2021年8月19日木曜日

休日は忙しい

僕らは裁量労働者と規定されているのに、一方で有給休暇というのを取る手続きをしなければならない。まったく矛盾した話だ。こんな矛盾を強いる役所は早晩滅びるに違いない。で、それはともかく、そんなわけで、有給休暇の昨日は、休日スケジュールを過ごすのに忙しかったのだ。


まず、午前中、仕事。大学業務でない仕事。翻訳とか執筆とか。


午後はプレス試写に行ってきた。


パトリシオ・グスマン監督『夢のアンデス』(チリ、フランス、2019)


『光のノスタルジア』『真珠のボタン』に続く三部作3作目。でもプレスリリース掲載のインタヴューによれば、4作目もあるかもよ、とのこと。


サンティアーゴ・デ・チレの街とその背後に控えるアンデス山脈の上空からのショットがオープニング。このアンデスが1973年とそれ以後のチリの社会の目撃者であるはずだとの発想を基にサンティアーゴ在住の人々へのインタヴューを繋げる。地下鉄モネーダ駅内のアンデスの壁画を描いたギジェルモ・ムニョス=ベラ(この人はサンティアーゴ在住ではないし、話もしない。ひたすら絵を描いている)を皮切りに、フランシスコ・ガシトゥア、ビセンテ・ガハルドというふたりの彫刻家、ミュージシャンのハビエラ・パーラ(ビオレタの孫だ)、映像作家のパブロ・サラス、作家のホルヘ・バラディト(Historia secreta de Chile)などだ。とりわけサラスが映像を撮り続ける姿、その活動を自ら語る内容、彼の撮ったフッテージは大いに利用されている。


これについては別のところに書かなければならないので、今は詳しく語らないが、ここには僕らの未来があると言っておこう。


夜は春風亭昇吉の真打ち昇進披露。昇吉は昇太の弟子で、初の東大卒真打ちとのこと。で、安田講堂でその披露の特別版を行い、それを東大関係者に配信、という催し。安田講堂内には最小限の関係者のみがいたもよう。


立川志らくが「たいこ腹」、昇太が「看板のピン」をやった後に口上。そして桂文枝の「笑わない男」、最後に昇吉の「たがや」と続いた。「たがや」など江戸の町人の気風を表現した出し物を披露の席でやるなんざ、大したものである……のかな? つまり僕は昇太の弟子だからきっと新作で勝負する人なのかな、と勝手に予測していたということ。


今日もまだ有給休暇中なのだが、原稿執筆だの翻訳だの、忙しくてしかたがない。ああ忙しい……



季節を終えたあじさいはこんな色になるのか!