『本の雑誌』7月号では、「新刊めったくたガイド」のコーナーで「今年一番ヒップな海外小説『野生の探偵たち』を読むべし!」と感嘆符つきで、山崎まどかさんが1ページ半割いて紹介してくださった。以前ツイッターで、やがて出る予定のミランダ・ジュライの短編集のために1位を空け、今のところ『野生の探偵たち』を今年の暫定2位にしてくれた人だ。だからRT(リツイート、つまり、ぼくのページへの再掲載)したのだった。さて、その山崎さん、「新しいもの好きの若者たちが、ジュール・ド・バランクールの絵画を使った秀逸な装丁の上下巻を持ち歩くようになればいいと思う」と書いてくれた。そうなればぼくも有頂天だ。
『毎日新聞』では、かなり大きな書評。「貧血気味の現代文学への強烈なカンフル剤、いやちょっとした爆弾くらいの効果はあるのではないか」と評してくれたのは沼野充義さん。
驚いたことに『毎日』のこの評、もうサイト上で読める。新しいメディアに時間差を置かず(時間差というのは利子を生み出す。つまり時間差とは利益だ)転載するというこの大新聞の態度は快挙だ。ただし、たとえば「ここに挙げた絵」というのがサイトではどの絵なのか確認できない。100%完全に転載はできていないのだ。メディア間の齟齬を顕在化させるような文章を書くのだから、沼野さん、さすがだ。
立川ビックカメラで、iPadが品切れだから予約しろと言われなければ、きっとぼくは今頃買っていただろう。予約しろと言われて冷静になり、もう一度果たして必要かと考え直そうと(そしてまた3G通信が本当に必要かと考え直そうと)店を出た。で、伊勢丹に行ってポロシャツを買ってきた。
ぼくは赤や緑やピンクのポロシャツをたいていいつの時代も持っていたものだが(たとえば今週の月曜、大学院生2人から立て続けに、会うなり、赤いですね! と言われた)、去年、それまでお気に入りでさんざんに着古したJ.Press(まただ!)のピンクのポロシャツがよれよれのしわしわ、シミもだいぶできたのでさすがに部屋着へと転落して以来、ピンクを持っていなかった。で、ピンクのやつを。今度はラルフ・ローレンで。ラルフ・ローレンの店にはかわいいボウタイがあり食指を動かされたのだが、iPad以上にためらわれて、ポロシャツのみで済ませた。考えてみたらラルフ・ローレンのポロシャツというのも、ずいぶんと久しぶりのアイテムだ。