2018年9月24日月曜日

還ってきた筆箱


帰ってきた! 

いや、本当は返ってきた、なのだけど。

いろいろと追い立てられ、追い詰められ、ブログも更新できないでいた。

木曜日は休み明け最初の教授会があり、進学内定者ガイダンスというのがあった。「内定者」というのは、来年4月から文学部に進学が決まっている駒場の2年生のことで、彼らへのガイダンスということだ。

翌日、第9回世界文学語圏横断ネットワーク研究集会にいって、パネル「パリの外国人(続)」で「コスモポリタンな欲望:ブエノスアイレス―パリ―ブエノスアイレス」という発表をしてきた。アルフォンソ・レイェスとヴァレリー・ラルボーの友情をめぐる話。

隣で発表していたYさんがソニーのデジタル・ペーパーを持っていて、薦められ、かなり心が揺れている。

翌日は立教のラテンアメリカ講座が始まる日。のんびりするわけにはいかないので、日帰りで帰京。しかし、京都に筆箱を忘れてしまった。なんてことだ! こんなヘマは初めてのことだ。

少しだけ翌日の準備が残っていたので、メモを取りながら本を読んでいたのだ。京都駅新幹線乗り場の駅ナカ、カフェ・コトでのこと。鉛筆を取り出すために筆箱をバッグから取り出した。その鉛筆を新幹線のなかでもまだ必要とするだろうと思い、シャツの胸に挿したのが間違いのもと。肝心の筆箱を忘れてしまったのだ。

あーあ、デジタル・ペーパーのことなんか考えて、これじゃあ万年筆やローラーは要らなくなるかな、なんて少しでも心に浮かべたのがいけなかったのかな? ペンとそれを束ねるペンケースがすねちゃったのかな? ものにはときどきそんなことがある。買い換えることを考えた瞬間に壊れたりする。今回もその現れのひとつかな?

まあいいや……

翌日、店に電話したら確かにある、とのこと。友人がもう一泊してから帰ると言っていたので、彼に取ってきてもらおうかと思ったが、連絡がつかず、ついたときには彼ももう帰京後であった。「帰京」は、東京へ帰ってきたということ。京都ではなく。

午後、聴きに行ったイベント(温又柔さんと南映子さん、それに管啓次郎さんのトークショウ@下北沢B&B)でご一緒した、京都の出版社のKさんが、自分が取りに行こうではないかと、申し出てくれたのだが、それもなにやら申し訳なく、カフェ・コトに頼んだらやってくるとのことだったので、着払いで送ってもらうことにした。

今日、荷物は届いたのだが、小銭がなく、運搬人はつりがなく、仕方がないから出直してもらい、その間に金を下ろし、そして今、やっと再会。会いたかったよ。