2012年7月21日土曜日

演劇も見よう


燐光群の公演『宇宙みそ汁/無秩序な小さな水のコメディー』@梅ヶ丘BOXに行ってきた。

2本立て、というか、2本目の「無秩序な……」はさらに「入り海クジラ」、「利き水」、「じいらくじら」の3本から成り立つオムニバスなので、4本立て? みたいなものだ。

ぼくが坂手さんからときどき見に来いと誘っていただくようになったきっかけは、一昨年、大学で開催したシンポジウム。そのときの録音がまずくて、残念ながら活字にできていないのだが、ともかく、そのとき、例えばデイヴィッド・ヘアー『ザ・パワー・オブ・イエス』のようなドキュメンタリーらしきものを劇に仕上げる要素は何なのか、と問いかけたのだった。坂手さんは舞台に上げる、それだけで劇になるのだと応えて印象的だった。

で、今回の「宇宙みそ汁」、なるほど、俳優を舞台に上げて詩を読ませたらそれだけで劇が成立するのだということが納得できる。清中愛子の三田文学賞受賞の詩や、その他、『宮の前キャンプからの報告』所収の詩だと思われるものを円城寺あやをはじめとする俳優陣が読み、動きをつける。すべてが清中の詩によって成り立っているわけではないと思うが(確認していない)、日記風の詩のようなものによって語られていく世界は、展開の速いオムニバス形式の、確かに演劇のようだ。