2014年2月22日土曜日

手羽をもがれた鳥の悲しみ

このところ腰に重みを感じていた。違和感というか、要するに、凝っていたのだ。

マッサージにでも行けばいいのだが、どうも知らない人と話すのが億劫でならない。

お客さん、いい体してますね。昔はさぞかし鳴らしたアスリートだったんでしょうね。筋肉の質がいい。

とか、

ぶよぶよですね。切り取ってすき焼き鍋に入れて割り下かけたいくらいですね。

とか、

今日はお仕事はお休みで?

といった語りかけ(たぶん、そんな風に語りかけられたりするよね?)にうまく受け答えできないのだ。色々と立て込んでいたこともあり、ともかく、そんなわけで、腰の違和感をなだめながら生きてきた。珍しいことでもないし。

こうした腰の重みは、時々、太ももやそのつけ根にまでいたることがある。今日、地下鉄の電車内でシートに腰かけたとき、そうした脚の重みも少し感じた。参ったな。

駅に着いて、下りようと席を立ったときに今までにない感覚を感じて、歩けなくなった。左太もものつけ根に通常の重みとは異なるある感覚が走って、上手く足が出せなかったのだ。

それでもどうにか電車の外に出て駅のプラットフォームで人混みを離れ、ゆっくりとストレッチをしてみる。

この感覚をどう表現すればいいのだろう? 関節炎のような、筋肉痛のような、……きっと手羽をもがれるときの鳥はこんな感覚を抱くに違いない。そんな感覚だ。痛みというよりは悲しみだ。腰を伸ばしたり伸脚したりしてどうにか歩けるようになっても、筋肉痛のために脚の制御が利かなくなり、おかげで股関節が外れたような動きになる。がんばって歩いても股関節を中心に体がくの字に曲がったようになって歩いている感じがする。


さて、これは何の徴候……いや、症候なのだろう?