2020年1月4日土曜日

飽きるくらいに映画を観よう


別に観た映画をすべてブログに書いているわけではないのだけど、なんか書いておきたくなった作品なので。


主演も助演もアカデミー賞にノミネートされたのに日本ではどうやら劇場公開されなかったらしい。リー・イスラエルの自伝 Can You Ever Foregive Me? の映画化作品。

かつてキャサリン・ヘプバーンの伝記などでベストセラーを出した作家リー・イスラエル(メリッサ・マッカーシー)は今では鳴かず飛ばず、人間嫌いで猫だけが友だちという孤独な性格なのでエージェントからもよく思われていない。生活費に困って古本を売ったりしているが、売れるはずもなく、往時、ヘプバーンからもらった手紙を売るにいたる。そこで有名人の手紙が売り物になることに気づき、ちょうど図書館で調べ物をしている時に本に挟まったファニー・ブライスの手紙を見つけ、それを加工することから始め、次々と有名人たちの手紙を捏造しては売っていく、という話。

気難しい作家にやがて協力することになる一癖も二癖もある友人ジャック・ホックをリチャード・E・グラントが演じている。『スター・ウォーズ』に出ていたことだし、彼の他の出演作品をと思って見出したのがこの作品だが、思いのほか面白くてよかった。

捏造した手紙が面白くて自らの作品と混同してしまう作家の心理を、弁護士が言う「手紙は面白い」などという科白がくすぐる。創作と剽窃の差はどこにあるのか? 

そして、なんといっても、手紙を売りに行く古書店の数々がいい雰囲気のところばかりで味わい深い。あれはどれも実在の書店なのだろうか? 確かめてみるのも一興。

……と思ったら、こんなブログ記事があった(クリック)。

これ、なんで劇場公開されなかったのだろう? シネフィルが皆ビブリオフィルとは限らないけれども、ビブリオフィルのかなり多くはシネフィルでもあると思うのだけどな? それは単なる僕の思い込みなのかな? 


すてきなカフェ。