見つけたいものは見つからない。思いもよらぬものばかりが見つかる。今日、明日の授業のためにといろいろと探し回っていたら、肝心のものは見つからなかったけれども、見つかったのは、これだ。
『エビータ』スペイン語版レコード歌詞カードのコピー。
ぼくの出た東京外国語大学では毎年、学園祭の時期に学生たちが自分たちの学ぶ言語で劇をやる。通称、語劇と呼ぶ。ぼくたちにとってはスペイン語劇。主に2年生が中心になるのだが、別に決まりがあるわけではないので、何年生が参加してもいい。
ぼくは学生時代、1年のときに舞台監督として、2年生では演出として、3年生では照明係として、それぞれ参加した。4年のときにも、なんとなくその辺にいた。
さて、1年時、ぼくらはアンドリュー・ロイド・ウェバーの『エビータ』スペイン語版をやった。ぼくは舞台監督だった。その名は思い出したくない演出の先輩が、前年、南米を旅行中に、このスペイン語版翻訳者と知り合い、許可を得てきて、ぜひやりたい、と言ってやったのだ。ぼくはその演出の先輩の下で、舞台監督を務めた次第。
で、時間が限られているので、オリジナルから何カ所かカットしたりしたし、全編楽曲からできている文字どおりのミュージカルのこの作品の一部を、セリフに変えたりして時間短縮して上演してきたのだが、今回出てきたのは、その上演用の台本になる前の、オリジナルの全曲のスペイン語歌詞カードだ。
自分自身が演出した(ガルシア=ロルカの『血の婚礼』)ときの記録や資料などはもうぜんぜん残っていないのに、まさかこれが出てくるなんて! 驚き、かつ、かなりの部分を覚えていたので、朝から歌って『エビータ』独演会などを開いてしまった。もちろん、観客はゼロ。