気づいたら11月になっていた。10月のブログ記事は一本しかなかった。
10月を死んだように過ごした訳ではない。
9日(火)には谷崎潤一郎賞の授賞式に行った。星野智幸さん『焔』が受賞したのだ。僕はこの短篇集の書評を書いたのだった。
授賞式のスピーチは素晴らしかった。これが新潮社刊であることから『新潮45』のヘイト論文およびそれを擁護する論文の問題に触れ、作家の慢心の可能性に触れた。
13日(土)と14日(日)にはイスパニヤ学会の大会に南山大学に行ってきた。最終日には京大のスペイン語教育の試みについてのワークショップがあって興味深く聞いた。
翌週20日には第三回の現代文芸論研究報告会を開催。ゲストに多和田葉子さんを迎え、最近の三作品についての大学院生からの質問に答える形式でワークショップを行った。これも楽しかったのだが、その日は僕は授業を終えてから東大に向かうというスケジュールだったので、問題になっている本を持って行くのを忘れた。話題になっている箇所をその場で確認できなかったし、懇親会でそこにサインをいただくこともできなかった。残念。
本などにすんなりサインをもらえる人がいる。僕はなかなかそれができないタイプのようだ。
17日(土)には原宿の本の場所で、トーク。こちらは二時間ばかりだろうか? 独りで話したり、朗読したりのようだ。20人くらいの小さなスペースだからと言われてその気になったのだが、果たして僕には20人もの集客力があるだろうか? 少なくとも知り合いがふたり、行くよと言ってくれてはいる……