2012年3月30日金曜日

ムチのようにしなる大外刈り

ツイッターには「トレンド」という項目があって、つぶやかれる頻度の多い言葉がリストアップされる。そこに「大外刈り」と出た。クリックしてみると、その言葉を含むツイートがずらりと表示される。「静岡」「中学の柔道、大外刈り禁止」「試合は座ったまま」などの文章が踊っていた。全柔連も変なことを言い出すな、中学の柔道は立ち技なしということか? と思ったら、元記事は、これ。つまり、中学の体育で武道が必修化されるが、大外刈りは危険な技だからその授業では禁止しようと静岡県が決めたということだ。中学の部活動や町の道場などで柔道をやる者全員が大外刈りを禁じられるわけではないらしい。

やれやれ。

ん? 

必修化? 

先日、ダンスが中学の授業で必修化されるという話を聞いたばかりなのだった。全国的なダンス人気を受け(ダンス人気のなかで、でなく)、中学の体育の授業でダンスが必修化されると。それを聞いたとき、ずいぶんと馬鹿なことをするな、と思ったものだった。人気があるから必修化とはどういうことだ、と……

おそらく、ダンスの必修化は武道の必修化と表裏一体をなす。人気をとりいれる/人気の凋落著しいものを、モラルを盾に存続させる。アメとムチだ……いってみれば。なるほど、そういえばAKB48か何かがやはり教科書に載るなどとどこかのニュースが伝えていたが、この「アメ」の裏になんらかの「ムチ」があるのかもな、と勘ぐってみたくなる。君が代を歌わなきゃ処分だ、などと「ムチ」を振りかざす人たちは、きっと何かの「アメ」を背中に隠しているのかもな。

以上の文章とは無関係だが、写真は文庫になった『1Q84』Book1