2020年7月8日水曜日

事後報告

5日(日)には台湾の淡江大学での第9回村上春樹国際シンポジウムで発表した。リモートでだけど。

僕の発表は以前書いた「羊男は豚のしっぽの夢を見るか?」の内容を紹介しつつ、村上春樹の「キャラクター小説」としての成り立ちを『海辺のカフカ』や『騎士団長殺し』について、上田秋成のテクストの利用と関係づけて確認した。

2日目のその日の基調講演は沼野充義さんで、彼はもうすぐ発売されるはずの短篇集『一人称単数』の既に雑誌に発表済みのものと、先ごろ単行本化された『猫を捨てる』を取り上げて、作品内作品を提示するための仕組みとしての一人称単数という話をしておられた。7日(火)の授業でオートフィクションについて話す予定だった僕にも大いに役立つ話。さっそく授業で引用した。