エリック・ラックス『ウディ・アレンの映画術』井上一馬訳(清流出版、2010)
元から知らなかったのだったか、忘れていたのだか、ともかく、持っていなかったこの本。B&Bに置いてあった。600ページを超す分厚い本が3,800円也だったので、すぐさま買った。
右の黄色いのは: Enrique Vila-Matas, Marienbad eléctrico (México: UNAM / Almadía, 2015).
ビラ=マタス『電気のマリエンバード』。グワダラハラのブックフェアから帰ったばかりの宇野和美さんが、今年のブックフェア賞受賞者ビラ=マタスの、それを記念して出されたばかりの本をお土産にくださった。
その上に乗っているのは、温又柔さんの「あなたは知らない」。黄耀進による台湾語訳との対訳。2年前のフェスティヴァル・トーキョーでの「東京ヘテロトピア」。そこで最初の台湾語辞書を作った王育徳について温さんの書いたテクスト(その時、僕もその王育徳の墓の前でこのテクストを聴いたのだった。とりわけ印象的な文章だ)を、こうして小冊子にして持ち歩いていた温さん(つまり、彼女も来ていたわけだ)に、いただいた。
ビラ=マタスの本と温さんの本、キルメンの小説の中身は、近年のある種の文学の方向性を明確に示し、共鳴し合っていると僕には思える。そのことはおいおい、書いていこう。
キルメンの本を買わなかった代わりに(?)ちゃっかりサインはいただいてきた、というのが上の1冊。
トークショウはまず前半、今福さんが『ムシェ』の中で印象的だと思ったパッセージを取り上げ、それに関連してキルメンに質問するもの。前回の来日時はこれを書き上げた直後だったのだが、1作書き上げた後の作家の意識としてはどんなものだったか、『ムシェ』の中のロベールの妻ヴィックの、違いがあるからこそ愛し合えるという態度、等々、等々……
途中で休憩を入れ、キルメンがバスク語の詩を読み、今福さんがその日本語訳(もちろん、金子奈美によるもの)を読み、最後に返礼として今福さんによるスペイン語の詩を日本語訳(本人による)を今福さんが、オリジナルのスペイン語版をキルメンが読む、という形で締めた。