J.J.エイプラムス『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(2015)
ルーク・スカイウォーカーが秘密の地図を残して姿をくらましてから、帝国軍の生き残りがスノークを中心にファースト・オーダーを組織、銀河共和国に戦争をしかける。ファースト・オーダーに対するレジスタンスを組織するのは、今では姫ではなく将軍になったレイア・オーガナ(キャリー・フィシャー)。
物語の発端は、レジスタンス側の敏腕パイロット、ポー(オスカー・アイザック・・・・・・というかオスカル・イサーク・エルナンデス)のドロイドBB-8(ルークの地図を持つ)を奪おうとしてファースト・オーダーの司令官カイロ・レン(アダム・ドライバー)が攻撃をしかけるところだ。逃げるBB-8、この村の出身らしく、殺戮に悩むストームトルーパーFN2187、後のフィン(ジョン・ボイエガ)は捕まったポーを助けて一緒にスター・デストロイヤーを脱出。ポーとは離れ離れになるが、首尾よくジャクーに到着、BB-8を拾ったレイ(デイジー・リドリー)とともに、さらなる追っ手を逃れて捨てられていたファルコンを拾って逃亡。ところが何者かに捕まり、・・・・・・
とストーリーを説明していけば、エピソード4-6のシリーズの単なる続きではなく、ほとんど繰り返しのようなものであることは察せられるだろう。カイロ・レンがハン・ソロとレイアの息子ベンであることはかなり早い時間に明かされるから、これを書いても「ネタバレ」とは言われないだろう。レイもまた出生の秘密があるらしく、これがエピソード8や9のストーリーのドライヴとなるに違いない。こうしたファミリー・ロマンスが背後に横たわっている点も、心憎いまでに『スター・ウォーズ』だ。戦闘機によるチェィス、そのクライマックスとしてのあるポイントへの攻撃、攻撃のし方そのもの、ライトセイバーによるチャンバラ、・・・・・・『スター・ウォーズ』が『スター・ウォーズ』を回収しつつ引用し、繰り返し、増幅している。『スター・ウォーズ』のファンにはたまらない。
ドロイドのBB-8の可愛さは、C3-POをはるかに凌駕するのではあるまいか? 砂漠で出会ったレイについていこうとする時、そのピコピコ、という機械音の発話が、明らかに "I want you" と言っている! ・・・・・・ように聞こえる。
・・・・・・そう聞こえるのも、それとも、僕自身が身につけてしまったフォースの結果か?