2013年1月1日火曜日

習慣の力


新年早々、何が悲しいのか……

うまかっちゃん

である。

九州地区で圧倒的人気を誇るインスタントラーメンである。熊本のおみやげだとかで、いただいたものを、元日の昼から食している。こいつぁ春から縁起がいい……

そりゃあね、ぼくだって、一番貧しくて一番腹の空く時代(というのは、高校時代だ)を九州地区(というのは鹿児島市だ)で過ごした人間だ。これにはずいぶん助けられた。でも同時にまだその時代の延長だった大学時代、大晦日と三が日の合計4日のうち、インスタントラーメン2個しか食べられなかったこともある。それが辛い思い出として残っている身としては、なんだか涙が出る。

で、そんな日を思い出すために……ではなく、せっかくのいただき物なので、元日から食してみたのだ。

粉末スープを取り出し、麺を沸騰する湯に入れたら、麺ではない何かまで湯に入った。

調理油だ。そんなものがあることを忘れていた。習慣の力というのは強力だが、一度失ってしまった習慣の非力さに呆然となった。

ぼくはこれが顕著なのだ。何かに慣れるのが早く、それを忘れるのも早い。仕事に追い立てられているときには規則正しく労働として机につき、1日数時間、訳したり書いたりしているくせに、ひとまずのその仕事が終わると、あっという間に生活のリズムを失ってしまう。

堕落体質なのだ。これではいけないなあ、などということを、湯に沈む調理油を眺めて思った……のか? 

うまかっちゃん、ごちそうさまでした。