『文藝年鑑』に今年も書かなければならないので、できるだけ新刊に目を通すことにしている。Juan Villoro, Arrecifeやフエンテスの死後の新作、バルガス=リョサなども目を通さなきゃな、と思っているところ。
Santiago Roncagliolo, El amante uruguayo: Una historia real (Alcalá la Real, Alcalá, 2012)
若くしてベストセラー作家になったし、父親は大臣だし、なにかとスキャンダラスな本を書いて物議を醸すので、良くも悪くも目立つロンカリオーロ。今年1月に初版が出て早くも増刷りのあるこの本は、ウルグワイの作家エンリケ・アモリンとフェデリコ・ガルシア=ロルカの関係、ロルカ亡き後のピカソやネルーダとの確執を扱ってなにやらスキャンダルの匂いが芬々。
1953年、アモリンの住むサルト(アルゼンチン国境の街だ)でロルカ記念碑の除幕式があった。マルガリータ・シルグも参列し、『血の婚礼』も上演されたというこの式を語るプロローグから始まっている。
秘密の業務で読まねばならないものなどに阻まれがちなのが口惜しい。オリンピックなんかみている場合ではないのだな。
ところで、本の表紙の写真の人物だというのに、ぼくのiPhoneのカメラはロルカとアモリンに焦点を合わせる。優秀? だ……