こんなビルの正面で仕事をしてきた。ジャニーズ事務所だ。
僕が仕事をしたのはジャニーズ事務所ではない。その向かいのビルで仕事をしてきたのだ。
JLPP翻訳コンクールというのがあり、現在、第6回募集中で、僕はそのスペイン語部門の審査員をやることになっいる。
今日は審査ではない。第5回の授賞式のあとのシンポジウム「2021年、世界文学と日本文学の景色」に出てきたのだ。スタジオからのオンライン配信で、その収録スタジオがジャニーズ事務所の目の前にあったという次第。乃木坂駅すぐ近く。住所で言うと南青山。
僕はモデレーターも務めたので疲れた。
張競さんは中国における日本文学翻訳の歴史を概観し、SF、ライトノベルなどの最近の傾向も指摘、流通とその戦略の問題も重要になっていることを述べた。
鴻巣友季子さんはポストヒューマニズムとディストピアの交錯するところに近年の文学の傾向を認め、そこにいかに翻訳家が介入するかという問題点を指摘し、多和田葉子、村田沙耶香、川上未映子等の近年の好評を分析した。
僕は21世紀に入ってからスペイン語圏では日本の現代文学の翻訳が世界市場に同調しながら盛んになってきたことを指摘した上で、日本(社会・文化・文学)への理解も充実してきたことを前提とし、が、実はその世紀の転換点のころに現れた日本文化吸収の極北とも言うべき文学作品を少し紹介した。マリオ・ベヤティン『ムラカミ夫人の庭』Mario Bellatin, El jardín de la señora Murakami (Tusquets, 2000)だ。
YouTubeで配信された映像は3月いっぱい、後追いで視聴が可能らしい。URL知らないけど※。
※ その後、教えていただきました。ここだ。
https://www.youtube.com/watch?v=GF_rCmcjUh0
帰りは2、3駅分を散歩した。