こうして窓を写真に撮ると、二重露光したような効果を得られる。
目的地に少しばかり早く着いたので、コーヒーとガトー・ショコラでおやつ。
目的地はここ。
といっても、ノスタルジーに駆られて故郷に帰ったのではない。羽田の到着ロビーだ。来年には90歳になる老母が急遽上京することになったので、迎えに行ったのだ。休日で当日のことなので急にはレンタカーなど借りることができず、電車で行って、タクシーに乗せた。
だいぶ足腰が弱っている母が、係員に車椅子で助けてもらって上京したのは、今朝未明、兄が死んだからだ。可愛そうに。子どもの方が母より先に死んでしまった。
そんなにべったりな仲でもない……どころか、高校に入って家を出たので(兄も僕も)、離ればなれに暮らしいる期間の方が圧倒的に長い。昨年4月には癌が見つかり、治療していたので、つまりそんなに唐突というわけでもなかったし、喪失感が大きいわけでもないのだが、それでもわずか2歳違いだ。堪える。
柳原友厚(1961.12.5-2020.10.18)R.I.P.