これがタコス・アル・パストール。ポソーレと並び、僕がメキシコに行くときには必ず食べるもの。日本のメキシコ料理屋などではめったに出されないからだ。
ケバブのように肉を重ねて専用のロースターのようなもので焼き、それを細かくそぎ落としてトルティーヤに載せ、玉ねぎとコリアンダー、お好みでサルサをかけて食べる。最近はケバブの店は日本でも多いのだから、アル・パストールだってできそうなものなのだが。
飛行機の時間が深夜だったので、空いた時間を管啓次郎さんの詩集のスペイン語版翻訳のプレゼンテーションに行ってきた。
でもその前に、会場が近いので、日曜日にも訪ねたロサリオ・カステヤーノス書店。これがその店内写真。右端にはカフェも見える。
そこで見つけたのが、
César Aira, El mármol (Buenos Aires: La Bestia Equilátera, 2011)
奥にあるのは Jorge Volpi, Las elegidas (México: Penguin Random House, 2015)
ボルピの新作はオペラにもなり、映画にもなった。今度、実はその映画化作品を巡ってボルピの話が聴けるらしいので、予習のために。
トラスカラのテナンチンゴという村の先住民たちが、古くから売春をしていたという言い伝えと、聖書「創世記」のアブラハムとサライの寓話(エピグラフに引用)を融和させ、詩的・寓意的・神話的に仕上げた作品。『クリングゾールをさがして』の分厚く、ハラハラドキドキの物語から、短く詩的で難解、でも示唆に富む作品へと舞い戻ってきた感じだ。