昨日の話。水曜5限「原典を読む」の授業を1回潰し、特別授業としてベラクルス大学のレティシア・モラさんにお話しいただいた。「カルロス・フエンテスと『ガラスの国境』について」。
フエンテスの『ガラスの国境』(『水晶の国境』? La frontera de cristal, 1995)は9編からなる連作短編集。連作短編集という構成の点でも、国境地帯を扱うそのテマティックにおいてもフエンテスの本質を体現した作品である、というのがモラ博士の主張。特に「残飯/残骸/略奪品」El despojo と「マキラのマリンツィン」Malintzin de las maquilas の2編が国境地帯における米墨の共犯関係というか、相互依存というか、交渉というか、……一定でも一枚岩でもなく流動する関係性をよく表していると、そんな話をしたのだった。
終わって懇親会では「国境」という名のワインを飲んだ。
(写真を撮るのを忘れちまったぜ。だから本の写真を載せるぜ)