2021年4月6日火曜日

くーっ! (これは感嘆詞)

友人が青山の喫茶店・蔦のカレーが美味いというので、そういえば行きたいと思いつつ行っていない場所だと思い立ち、行ってきた。蔦に囲まれていた。その後、ABCで本を数冊買い、渋谷、映画美学校試写室へ。試写に呼んでいただいたのだ。


ゲオルギー・ダネリヤ/タチアナ・イリーナ監督『クー! キン・ザ・ザ』(ロシア、2013)


そう、あの『不思議惑星キン・ザ・ザ』(1986)の、言うなればリメイク版。まだソヴィエト連邦だった時代のロシア映画の金字塔……なのかな? ともかく、カルト的人気を誇るあのSFをアニメにして、ストーリーというより細部(携帯電話が出てくる)を現代的にして作ったもの。


「クー」と「キュー」のみが言語である砂漠の惑星プリュク(キン・ザ・ザ星雲)に迷い込んだ地球人(ロシア人)二人連れが、この星では最大の価値であるらしいマッチをネタに交渉を重ね、冒険を繰り広げ、どうにか地球に帰ろうと努力する話。


オリジナルでは主人公の職業は建築家だったか何だったか、僕もあまり覚えていないのだが、今回は世界的な名声を誇るチェリスト。ある老夫婦にせがまれてメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲第一番」を演奏しかけたら、そんな音楽はだめだと否定されるところなどはなんだかおかしい。いや、全篇にわたっておかしみはあるのだが。


アニメにしたことによって実写と異なり宇宙人たちのキャラクターが立つ。背景など立体的で美しく描かれるのだが、そのキャラクターたちはへんに3D的でないところは、僕には好感が持てたところ。僕はあれが苦手で、一種の恐怖心を感じるのだ。


5月公開予定だが、それに合わせて『不思議惑星キン・ザ・ザ』も公開するのだという。すばらしい!