26(日)には『2666』ナイト第2弾、佐々木敦VS野谷文昭@原宿Bibliothèqueに行ってきた。稀代のビブリオフィロ佐々木さんがビブリオフィロたるボラーニョのもたらす情動について語った。ボラーニョの文章には接続詞が極端に少ないとの野谷さんの指摘にはっとした。ひょっとしてぼくは余計な接続詞をおぎなって訳文を作ってしまっていないだろうか、と『野生の探偵たち』が気になった。
そんな自分の過去の訳業を、振り返りたくなりつつも振り返っていないのは、別の仕事を振り返らなければならないからだ。
6月1日(土)2日(日)と開催される日本ラテンアメリカ学会第34回大会@獨協大学で、二日目恒例のシンポジウムにパネルとして参加する。シンポジウムのタイトルは「ラテンアメリカ研究の射程」、ぼくの基調報告のタイトルは「ラテンアメリカ主義再考」。
『野生の探偵たち』(2010)以前、『ラテンアメリカ主義のレトリック』(2007)を振り返るというもの。振り返る、というよりは、そのとき課題として放置し、考慮に入れずにいた問題を、ここで考えようというわけだ。ちょっと前からのここでの記事も、少しだけその準備に侵食されている。
ちなみに、ぼくは現在、この学会の理事でもある。いやなこった。