2009年5月30日土曜日

ぼくたちはどこへ向かっているのか?

村上春樹新作、発売初日に68万部との見出しがヤフーのトピックに躍っていた。そういえば、昨夜、既になかったなと思い出す。

諏訪湖



へのオリエンテーション旅行に出かけ、金曜日に戻ってきた。大学に戻っていろいろと用務をこなしていると4年の学生と行き交い、質問を受け、ついでに食事へ。吉祥寺でワインを2本ばかりも空けて駅に向かう途中、ブックファースト(ここは昔違う名前の本屋だったのだが、いつの間にかブックファーストに回収されたようだ)がまだ開いていた。寄ってみたら、既に第一巻はなくなっていた。

翌日、つまり今日、近所の本屋で買ってきた。あるところにはあるのだよ。

村上春樹『1Q84』全2巻(新潮社、2009)。

「全2巻」と書いたが、Book 1 とBook 2と書かれている。文字通り(?)、1984年の話で、Book 1が4月―6月、Book 2が7月―9月。「青豆」という姓の30歳の女性(殺し屋)と「天吾」という名の29歳の男性(予備校教師、ゴーストライター)の話が交互に語られていく。

「初日に68万部」というのは、消費者の手に渡った数ではない。もちろん。書店に流通した数のことだ。村上春樹なら売れるだろうというので、各書店が大量に注文する。もちろん、各書店もただ頼むのでなく、予約状況などから売れそうな数を読んで注文する。それが積もり積もって68万部。でも、書店の読みが正確だとは限らない。上方下方を問わず、読み違いもあるだろう。でも68万部という数は何か変だと思う。すぐに買ってしまったぼくが言うのも説得力のない話だが。

でもともかく、そんなわけで、吉祥寺ブックファーストでは売り切れても、地方の駅前の町の本屋さんではまだ買える。それが流通というものだ。