このところサボっていた。ブログを書くのを。特に理由はなく、とりわけ多忙になったというわけでもないのだが、活力が低下する時期だったのだろう。
普通に生きていたので、書くべきことはたくさんあったのだが、……ラテンアメリカ学会に行き、堀江敏幸への都甲幸治によるインタヴューを聞き、その他にもいくつかのイベントに参加し、何冊かの本を読み、映画を見、教え子たちを招いてタコス・パーティを開き……という6月であった。
ティム・ライス/アンドリュー・ロイド=ウェーバーによるミュージカル『エビータ』は、僕が大学に入った1984年、外語祭でのいわゆる語劇の演目として、僕らも上演した思いでの作品だ。ただし、スペイン語版。僕は舞台監督として役者にキューを出したり、舞台装置の指示をしたりしていた。
スペイン語版をやったのだから、歌詞はスペイン語で覚えている。ついつい口ずさみそうになる。口ずさもうとすると涙が出そうになる。昔を懐かしんで涙する年になったのだなあ……
7日はひとつの小説をめぐる2つの読書会に参加した。ひとつの小説とは、パク・ミンギュ『ピンポン』斎藤真理子訳(白水社、2017)。いじめられっ子の釘がセットでいじめられているモアイとともに卓球台を見出して卓球をするようになり、卓球用具店店主セクラテンに導かれて人類の未来を決することになる話だ。ひどく面白い。