来週の日曜日、「人生に、文学を」オープン講座第1回というので村山由佳さんの講座の司会をせねばならないので、課題図書のうちまだ読んでいなかった『ラヴィアンローズ』(集英社、2016)を読んでいた。母と子の確執を描いた『放蕩記』(集英社文庫、2014 / 2011)よりもさらに、夫の妻に対する言葉の暴力(このふたつのテーマでもって「モラルハラスメント」というテーマで話す模様)が最初から痛く辛く響く作品だ。
不倫相手の堂本裕美との出会いの鮮烈さなどがチャームポイントであるに違いないこの小説の、だからこその夫・藍田道彦の言葉の刺が痛くてたまらなくなり、そうだ、息抜きに薔薇を見に行こうと思い立ったのだ。
La vie en roseというタイトルから察しがつくように、薔薇に関係する話だ。主人公の咲季子はフラワー・アレンジメントの教室などを開き、ガーデニングやその他の活動が話題になって本なども出しているカリスマ主婦(というのかな?)だ。冒頭からバラ園の記述が読者をその世界に誘い込む。
そういば、そろそろ薔薇は見頃だろうか、と思い立ったわけだ。それで、いちばん近い薔薇の見どころといえば、やはり旧古河庭園。以前、このブログにも書いたことがあるけれども、そのときは薔薇の季節ではなかった。だから薔薇を見に行ってきたのだ。
旧古河庭園はかつてよくTVドラマのロケなどにも使われていた(はずだ)典型的な洋館と、高低差のある庭園が特徴だ。上の段の庭園はフランス式のシンメトリーで、薔薇が特に名物。
下の段が日本庭園になっている。
この薔薇の浮き上がりようはどうだ! あ、つまり、写真映りのこと。
館内の喫茶店でコーヒーなども飲んだのだった。(写真はない)