2015年9月1日火曜日

船出してきた

昨日、8月31日、文芸フェスのローンチ・パーティというのに行ってきた。

2013年、2014年と、日本財団が主催して文芸フェスというのが開かれてきた。外国の作家なども招聘し、期間中、色々な会場で色々なことが催される。2015年の3月には開催されなかったけれども、第3回が2016年3月に開かれるという。その、船出。

主催者としては初回は主に英語圏の作家ばかりだったが、徐々に他言語の作家も多く参加を呼びかけたいとのこと。もちろん、スペイン語圏の人も、と。ただ、資金が潤沢なわけではないので、……等々。

知り合いやらサイバースペースでは知り合いだけれども会うのは初めてという人やらと話をしていて、太田光の話とか小野正嗣と西加奈子のトークとかをよく聞いていなかった。面目ない。

翌日、つまり今日、ご恵投いただいた。リディア・デイヴィス『サミュエル・ジョンソンが怒っている』岸本佐知子訳(作品社)

短編集だが、中には超短編を含む。スペイン語圏でmicrorrelatoと呼ばれ、すっかりジャンルとして定着した観のある短い文章のことだ。よく引き合いに出されるのが、アウグスト・モンテロソの「恐竜」。「目が覚めると恐竜はまだそこにいた」だ。こうした一行や二行の作品を含むのが今回の短編集。表題作はことに短い。「恐竜」よりも短い。タイトルと一続きではあるが。

もちろん、数ページ、数十ページの通常の短編もあるのだが、こうした短いものを含むので、最後の「謝辞」までが短編ではないかといぶかしく思う。こう書いてある。

付け加えるぺきことは一つだけ
本書に収められた銅版画の
丁寧な再刻はすべて
カフ氏によるものである     (234ページ)


うむ……