2015年2月23日月曜日

これはよかったよ

昨日は現代文芸論主催、河出書房新共催のイベント「東京大学で一葉・漱石・鷗外を読む」に参加。河出書房新社から配本中の池澤夏樹個人編集 日本文学全集の第3回配本を記念してのもの。

第1部は「『たけくらべ』にさわる」として、今回の「一葉・漱石・鷗外」の版で樋口一葉『たけくらべ』を翻訳した川上未映子さんの話。第2部は「明治の青春小説の魅力」と題したシンポジウム。個人編集の池澤夏樹さん、川上未映子さんに加え、紅野謙介さん、カタジーナ・ソンネンベルクさん、それに沼野充義さんがしゃべった。

川上さんはかつて松浦理英子訳『たけくらべ』の朗読したテープを聞きながら原文を読むというようなことをやっていたらしく(そのことは「訳者あとがき」に書いてあった)、そうした体験を僕たちと分かち合ってくれた。川上訳『たけくらべ』のすばらしさが聴衆に伝わったのだった。

第2部はいろいろと話されたが、池澤さんの全集に臨む姿勢が明確になって面白かった。

金曜日くらいに第1部の司会……というか導入のようなものをやるように言われ、土曜、元同僚の高垣敏博先生の最終講義に向かう電車の中で『たけくらべ』を読み、その面白さに震えたのだった。訳のすばらしさに泣いたのだった。


で、今回の訳、本当にすばらしいよ、と言っている図。友人が撮ってくれた。