内視鏡の検査に行ってきた。事前に採取された血液の検査結果はおおむね問題ないが、中性脂肪の値が少し高め、とのこと。
ああ、おれはもうすっかり肥満児なのか!
……「児」ですらないか。肥満中年。
まず鼻に噴霧薬を入れられた。右の鼻の方が通りがよさそうだ。しばらくして右の鼻だけに麻酔。ゼリー状のものを少しずつ流し込む。それでまた時間を見る。洟垂れ小僧になった気分だ。
鼻からの内視鏡は、確かに、喉に詰まることもなく、スムーズに行くのだが、喉が人工的に広げられているという感覚は拭いがたい。よく見えるようにと胃に水を送って洗浄したりしながらの撮影なものだから、腹がふくれる感じがしてどうにもやるせない。何かを切り取る器具のようなものまで挿入されたので、色めいた。
特に問題はないとのこと。胃の中ほどが赤くなっていたので、万が一を考えて細胞を採取したのだとのこと。最悪の場合はこれが癌などのごく初期の徴候のこともありうるが、まあ見る限りそこまでではないでしょう、胃炎か何かでは、とのこと。
その後、神保町まで出張って買ってきた。Diccionario de la lengua española. スペイン王立アカデミーの辞書の第23版。箱入りだ。
これを買いに行く途中に、大学時代の先輩と出くわす。信山社から出てきたところで、
エウヘニオ・コセリウ『言語変化という問題 共時態、通時態、歴史』田中克彦訳(岩波文庫)
を買って出てきたところだという。今日出たばかりなのだ。コセリウが文庫になったのだぞ、ぜひ買え、とのことだったので、これも買ってきた。
内視鏡を入れ、細胞を採取した今日は胃にやさしいものを食べろと言われたので、赤門近くのそばや〈江川〉で昼食。そばが胃にやさしいのかどうか、実のところは知らない。ここのそばがうまいことは知っている。