2014年1月24日金曜日

21世紀を問う

今年の春の選抜高校野球大会に大島高校が21世紀枠によって選ばれ、出場することが決まった。

大島高校は名瀬市(現・奄美市)にある高校。ぼくの兄の母校だ。ちなみにぼくは鹿児島市の高校に進学した。兄と同じ高校になど行きたくなかったから……? まあいい。ともかく、そんなわけで、周囲は色めき立っているわけだ。

ぼくは高校野球にたいして興味ない。だからといって頭から否定しているわけでもない。そうした大会に出る高校生たちに対する敬意は払いたいと思う。出身者や、出身者ではないけれども近しい者が出場を喜ぶのもわかる。その気持ちに水をさすつもりはない。それどころか、ぼくだって喜ぶ気持はある。

ただ、気になったのだ。

21世紀枠って……なんだ? 

主催者である『朝日新聞』の説明にはこうある。

各都道府県秋季大会で8強、加盟校が多い地区は16強入りした学校を対象に、困難の克服、マナーの模範、文武両道などを評価する出場枠。2001年の第73回大会から採り入れられた。

なるほど、よくわかった。うん。なんの異論もない。

が、これを検索したときに、こんな記事を見つけた。日刊スポーツのサイトだ。

第86回選抜高校野球大会(3月21日から12日間、甲子園)の選考委員会が24日、大阪市内で行われ、21世紀枠は、小山台(東京)、海南(和歌山)、大島(鹿児島)の3校が選ばれた。 
 小山台は限られた練習時間や狭いグラウンドなどの練習環境を克服。都立校としては初のセンバツ出場となる。海南は4つの分校舎あり、片道9キロを自転車移動する部員もいる進学校。大島は鹿児島市から380キロ南にある奄美大島の進学校。グラウンド周辺にはハブも生息。部員23人で昨秋鹿児島大会で4強入りした。
 今回の三校はいずれも「進学校」とのことで、「文武両道」が評価されているらしいことはわかる(「文武両道」などという概念への疑問は、今はおいておこう)。が、21世紀枠は「困難の克服」をも評価するものだそうだ。小山台の場合は「練習時間や狭いグラウンド」などの不利を克服したのだろう。海南は「片道9キロを自転車移動する部員もいる」という地の利ならぬ地の不利を克服した。

が、しかして、大島高校が克服した困難は何だ? 「鹿児島市から380キロ南にある」離島に位置することか? 言っておくが、奄美大島というのは日本の数ある離島では佐渡島の次に大きいのだ。別に週に一便の船だけが頼り、なんて土地ではない。「部員23人」と少ないことなのか(そもそもこの人数は少ないのか)? まさか、「グラウンド周辺にはハブも生息」することではあるまい?

うーむ……。


大島高校は21世紀枠によって選抜された。がんばれ、大島高校。