2010年9月8日水曜日

カルタヘナにガボを訪ねる

昨日買ったことを報告した『文學界』10月号、田村さと子「ガルシア=マルケスを訪ねて——ラテンアメリカ文学の旅」(pp. 196-205)は、今年の2月、ニカラグアの詩のフェスティヴァルに招かれて行き、エルネスト・カルデナルと話し、その後ついでにカルタヘナまで脚を伸ばし、ガルシア=マルケスに会い、田村さんが出すことになっている彼についての本の話などをした、という内容。それから帰りにメキシコ市に寄ってフアン・ヘルマンにも会った、と。カルタヘナが『愛その他の悪霊について』と『コレラの時代の愛』の舞台なので、ということで、前者についての思い出や論評を絡めながらカルタヘナの街を描写している。

これからわかることは以下の3つ。1) ガボは元気だ。2) 田村さんのガルシア=マルケス論は来年の3月(望むらくは作家の誕生日の3月6日)ころに出版される。3) 『愛その他の悪霊について』が映画化され、どうやらそれがカルタヘナ映画祭で上映されたらしい(田村さんが帰国の途についた後なので、彼女は観ていない)。2) については、今年の4月、『野生の探偵たち』のイヴェントでお会いしたときにうかがっていたが、いずれにしろ、慶賀すべきこと。

サンタエーリャの短編2つを含む、「来るべき世界の作家たち」は中島京子が去年、アイオワ大学の主催する国際創作プログラムIWPで知り合った若い作家たちを一挙に翻訳紹介したもの。

田村さと子の文章の次に載っていたのが、吉田修一の『悪人』を映画化した李相日監督のインタヴュー。この雑誌を読んでいるころ、これに出演した深津絵里がモントリオールの映画祭で最優秀女優賞を受賞したというニュースが舞い込んだ。